櫻井俊氏のキャリアは、戦後日本の情報通信行政の歴史そのものと言っても過言ではない。東京大学法学部を卒業後、1977年に旧郵政省へ入省。通信の自由化や地上デジタル放送への移行、携帯電話普及期の電波行政など、国家の屋台骨を支える重要政策の舵取りを担ってきた。
2015年には総務省の事務方トップである総務事務次官に就任。省内きっての政策通として知られ、官僚として頂点を極めた。退官後は三井住友信託銀行顧問などを経て、2019年に株式会社電通グループの執行役員に就任。翌年には取締役副社長執行役員(CGO)へと上り詰めた。
日本のマスメディア・広告業界において絶大な影響力を持つ組織の経営中枢に座したことで、当時はメディア界隈にも大きな衝撃が走った。しかし、一貫して現場主義を貫き、デジタル変革を牽引したその仕事ぶりは、業界内外で高い評価を得ている。