彼女のキャリアを語る上で避けて通れないのが、入社当初の泥臭い現場体験だ。テレビ局の制作アシスタントディレクター(AD)としてリサーチや雑務に追われていた日々。そこで培われたのは、カメラの前に立つ者としての華やかさではなく、制作現場の熱量や人の動力を皮膚感覚で捉える「徹底した現場目線」だった。
アナウンス部への異動という異例の抜擢を経ても、その視線がブレることはなかった。画面の向こう側にいる視聴者が何を求め、現場のスタッフがどんな思いで番組を作り上げているのか。彼女が発する言葉に漂う独特の安心感と説得力は、この下積み時代に根を張った泥臭い洞察力に由来している。