結論から言えば、宮脇咲良がグラビアをやめた理由は、「グローバルアーティストへの脱皮」と「ターゲット層のドラスティックな転換」という戦略的必然にあります。決して過去の芸能キャリアを否定したわけではなく、自ら選び取ったプロフェッショナルとしてのセルフディレクションの結果です。
日本国内の48グループにおいて、水着グラビアは人気獲得と知名度アップに欠かせない登竜門でした。男性読者が中心を占める青年コミック誌や大衆週刊誌の表紙を飾ることは、総選挙の順位を押し上げる最大の武器でもありました。事実、宮脇咲良も10代半ばから後半にかけて、数多の誌面で健康的な水着姿を見せ、王道アイドルとしての地位を盤石なものにしていきました。
転機となったのは2018年のオーディション番組『PRODUCE 48』と、それに続くIZONEでの活動、そして2022年5月のLE SSERAFIMとしての再デビューです。所属事務所であるSOURCE MUSICおよびHYBEは、国内市場だけでなく北米やヨーロッパ、アジア全域を見据えたワールドワイドな展開を設計していました。世界市場において、女性アイドルが少年誌等の文脈で男性目線に合わせた水着グラビアを披露する慣習は一般的ではなく、むしろアーティストとしてのブランド価値を損ないかねないハイリスクな選択とみなされます。
関係者の間でも「世界市場で通用するガールズグループとして再構築するにあたり、旧来型の男性ファン向け水着グラビアを継続する選択肢は最初から存在しなかった」と語られています。宮脇咲良自身のブランディングは、「男性に消費されるアイドル」から「同世代の女性たちが憧れるロールモデル」へと完全に再定義されました。