ことわざとして広く定着している「食べた後すぐ寝ると牛になる」という言葉ですが、その由来は決して迷信や単なる体型変化への脅しではありません。古くからの行儀作法を教える「食後にすぐ横臥する無作法を戒める教訓」であると同時に、牛が反芻(はんすう)動物であり食後に胃袋を行き来させてゆっくり消化する習性になぞらえた生活の知恵でした。
現代の生理学において、食べたあとすぐ寝る太る理由は明確に立証されています。食事を摂取すると血糖値が急上昇し、すい臓から肥満ホルモンとも呼ばれる「インスリン」が分泌されます。食後すぐに深い睡眠に入ってしまうと、体を動かすエネルギー消費が極端に低下し、消費されなかった余剰な血中ブドウ糖がインスリンの働きによって中性脂肪へと変換され、脂肪細胞へ急速に取り込まれてしまいます。活動時であれば筋肉や脳で消費されるはずのエネルギーが、睡眠による代謝低下でまるごと体脂肪へと化してしまうのが肥満を招く直接的な理由です。