容姿の変貌があまりに急激だったため、当時は一部のネットメディアや掲示板で「甲状腺の病気ではないか」「深刻な内臓疾患を患っているのでは」といった病気の噂がまことしやかに囁かれました。特に疲労の色を濃くしたような目のクマや首回りの変化が、健康状態の悪化を連想させたようです。
しかし、当時も現在に至るまでも、所属事務所や本人から健康上のトラブルや闘病に関する公式発表は一切なされていません。関係者への取材やその後の活動履歴を辿っても、長期の療養期間などは存在せず、スケジュール通りに過酷な連続ドラマの主役を務め上げています。
映像業界では、多くの俳優がライティングやメイク、時にはデジタル補正を用いて若々しさを保とうとする傾向があります。そのなかにあって、池脇千鶴は生活感や加齢という人間の生々しい現実をあえて画面に晒す表現者でした。突発的な体調不良や病による衰弱ではなく、役柄の陰影を肉体レベルでコントロールしていたことが、後年の落ち着いた佇まいからも証明されています。