ワールドアスレティックス(世界陸連)が公認する男子50メートル走の室内世界記録は「5秒56」。この驚異的な数字を叩き出したのは、1990年代後半のスプリント界を席巻した2人のスプリンターだ。
1996年、カナダのドノバン・ベイリーがアメリカ・リノの室内トラックで5秒56をマークし、当時の常識を覆した。そしてそのわずか3年後の1999年、マドリードの地でアメリカのモーリス・グリーンが同じく5秒56で駆け抜け、タイ記録として歴史に名を刻んだ。ふたりが見せた爆発的なスタートダッシュと超高回転ピッチは、今なお色褪せない陸上競技の金字塔である。