施設の中核を担うシンボルが、昭和初期に発見され整備された小平の里 鍾乳洞です。全長約93メートルと観光型鍾乳洞としては比較的コンパクトな規模でありながら、洞内は起伏に富み、鍾乳石や石筍(せきじゅん)が間近に迫る本格的な地底空間が広がっています。内部の気温は年間を通じて約12度から15度前後に保たれており、真夏の猛暑日に足を踏み入れた瞬間の冷気は、子どもたちにとって忘れられない強烈な感覚体験となります。
通路には手すりや照明が整備されているものの、頭上から染み出す地下水や狭小な岩肌をくぐり抜けるルートは探検気分を満喫させるのに十分です。一般的な巨大鍾乳洞のように歩行距離が長すぎて途中で子どもが疲れてしまうリスクが少なく、未就学児から祖父母世代まで無理なく踏破できるサイズ感が高く評価されています。
一方、鍾乳洞の対岸に広がる小平の里 湿生植物園では、全く異なる静謐な時間が流れます。初春のミズバショウに始まり、初夏の花菖蒲やアジサイ、秋の鮮烈な紅葉にいたるまで、四季折々の植生が木道沿いに保全されています。急峻な山あいにありながら、野鳥のさえずりと水流の音だけが響く空間は、鍾乳洞で高揚した気分を優しくクールダウンさせる絶妙なコントラストを生み出しています。