住吉の長屋は雨の日に傘が必要?安藤忠雄の傑作と現在の住み心地を解剖

住吉の長屋は雨の日に傘が必要?安藤忠雄の傑作と現在の住み心地を解剖

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Q1:なぜ安藤忠雄氏は最初の代表作でこのような過激な設計をしたのですか?
A1:木造長屋が密集する大阪の下町において、限られた低予算(1000万円)と狭小敷地(間口3.45m)という条件下で、都市の喧騒を遮断しつつ自然を取り込む唯一無二の解が「外界に閉じ、中庭に開く」ことだったからです。都市ゲリラとしての強い批評性が込められていました。

Q2:当時の建築界での評判はどうだったのですか?
A2:当初は「生活を無視している」「住み手に苦行を強いる家だ」と激しい賛否両論が巻き起こりました。しかし、過酷な条件を逆手に取った圧倒的な空間構成の強さが評価され、1979年に若手建築家の登竜門であった「日本建築学会賞」を受賞。安藤忠雄氏の名を一躍世界へ知らしめる出世作となりました。

Q3:現在、住吉の長屋の中を見学することはできますか?
A3:原則として見学は不可能です。国の登録有形文化財への答申がなされた現在も個人住宅として大切に使われています。敷地周辺を訪れる際も、無断撮影や長時間の滞在を避け、プライバシーへの最大限の配慮が必要です。

Q4:雨の日のトイレ以外に、生活上の不便さは何がありましたか?
A4:断熱材のない打放しコンクリートのため冬の寒さと夏の暑さがダイレクトに室内に伝わる点や、台所と居間を移動する際にも一度中庭に出て外気を感じる必要があった点が挙げられます。しかし施主はこれを不便としてではなく、季節の移ろいを楽しむ生活文化として受け入れていました。

林 結菜
著者

林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。