山田和利氏を語る上で欠かせないのが、長男である山田裕貴さんとの親子関係です。裕貴さんは小・中学生時代、プロ野球選手である父の背中を追いかけて野球に打ち込み、将来を有望視されるリトルシニアの選手でした。しかし、周囲のレベルの高さや「プロ野球選手の息子」という重圧に悩み、中学卒業とともに自ら白球を置く決断を下します。
当時の特番インタビューや裕貴さん自身の手記によると、野球を辞めると打ち明けた際、父・和利氏は怒ることも落胆することもなく、静かに次のような言葉をかけたといいます。
「野球をやれと頼んだ覚えはない。ただ、自分で決めたことなら、次に選んだ道だけは絶対に途中で投げ出すな」
この言葉は裕貴さんの心に深く刻まれました。高校卒業後に俳優の道へ進む際も、和利氏は「やるなら日本一の俳優を目指せ」と激励。2018年、ナゴヤドーム(現・バンテリンドーム ナゴヤ)で行われた中日ドラゴンズ公式戦の始球式に裕貴さんが登板した際、父の現役時代の背番号「30」を背負い、マウンド上で涙を流した光景は多くのファンの涙を誘いました。