栃ノ心の現役時代を語る上で避けて通れないのが、度重なる怪我との闘いだ。特に前十字靭帯断裂という力士生命を脅かす大怪我を負った際、一時は前頭最下位から幕下まで陥落する憂き目に遭った。再起不能とまで囁かれたどん底の時期を支えたのは、家族の献身的なケアだった。
リハビリに励む日々は精神的にも肉体的にも限界に近い。しかし、諦めずに土俵へ戻り、2018年春場所での幕内優勝、そして大関昇進へと上り詰めた快進撃の陰には、常に寄り添い励まし続けた妻の言葉があった。怪我に苦しむ夫の身体を気遣い、栄養管理や精神的なサポートを徹底したことが、奇跡の復活劇を可能にしたのだ。