ふじ麺のビジュアルから、ネット上では「いわゆるラーメン二郎のインスパイア系」と同一視されるケースが少なくありません。しかし、専門的な見地から製法と味覚設計を紐解くと、両者には明確な思想の違いが存在します。
一般的な二郎系が豚肉の煮汁と化調(旨味調味料)、カネシ醤油をベースにしたソリッドな乳化・非乳化スープであるのに対し、常勝軒のふじ麺は「東池袋大勝軒譲りの濃厚な動物・魚介出汁の土台」を持っています。単に脂と塩分で押すのではなく、下地にしっかりとした出汁のコクがあるため、スープに深みと奥行きが生まれるのです。
さらに、二郎系特有の緊張感を伴う「独自のコール文化」がなく、食券を渡す際に「ニンニクの有無」や「野菜の量」を落ち着いて店員に伝えられる点も大きな違いです。初心者やファミリー層でも気後れすることなく本格的な山盛りラーメンを楽しめる間口の広さこそが、常勝軒が長年にわたり愛される本質的な強みといえます。