日本のアパレル産業において、冠婚葬祭需要は長年安定した市場を形成してきた。しかし、体型の変化やライフスタイルの多様化、さらには物価高騰に伴い、消費者が求めるニーズは激変している。その変化にいち早く対応しているのが、業界首位を争う紳士服大手だ。
洋服の青山を展開する青山商事は、撥水加工や伸縮性に優れた高機能なストレッチウール素材を採用した礼服を拡充。急な着用でもストレスを感じさせないウエストアジャスター機能を標準装備し、体型変化に対応できる息の長い一着を提案している。対するAOKIホールディングスも、濃染加工による「極みの黒」を追求しつつ、家庭の洗濯機で洗えるウォッシャブル機能を備えたフォーマルウェアを展開。伝統的な格式を守りながらも、現代人の実用性に即した製品開発が熾烈を極めている。