多くの人が一度は抱く「なぜ円周率は永遠に割り切れないのか?」という疑問。その数学的な理由は、円周率が「無理数(分数で表すことができない数)」であり、さらに代数方程式の解にならない「超越数」であるためです。18世紀に数学者ランベルトが無理数であることを証明し、19世紀末にリンデマンが超越数であることを証明したことで、円周率は循環しない無限小数であることが完全に確立されました。
円周率をあらわす記号「π(パイ)」の由来は、ギリシャ語で「周囲・円周」を意味する「περιφέρεια(ペリフェレイア)」または「外周」を意味する「περίμετρος(ペリメトロス)」の頭文字にあります。18世紀のイギリスの数学者ウィリアム・ジョーンズが著作で記号として採用し、天才数学者レオンハルト・オイラーが普及させたことで世界標準となりました。
古代バビロニアや古代エジプトでは「3.125」や「3.16」といった近似値が使われ、アルキメデスが正96角形を用いて「3.14」まで絞り込み、江戸時代の和算家・関孝和が独自の手法で小数点以下16桁まで迫るなど、円周率の歴史は人類の知的探求の軌跡そのものです。