物語の終盤、満を持して異次元から姿を現すヴァレンタイン大統領。その登場シーンで言い放たれた「どジャア〜ん(Do-yaaaan)」という擬音交じりの台詞は、読者の脳裏に鮮烈な焼き付きを残した。英語の「Tada!(ジャジャーン!)」に相当する軽快なニュアンスでありながら、国家の未来と絶対的な正義を背負う冷徹な指導者の口から飛び出す落差が、唯一無二のシュールさと絶望感を醸し出している。
原点を探ると、このフレーズは彼が自身の奇術めいた能力を誇示するかのように、あるいは自らの絶対的優位を信じて疑わない傲慢さと無邪気さの裏返しとして発せられている。愛国心という名の大義名分を掲げ、迷いなく他者を犠牲にする彼のキャラクター造形が、このたったひとことの擬音に凝縮されているのだ。