売買契約における責任概念の刷新は、企業法務の担当者を最も悩ませたテーマの一つだ。「瑕疵(かし)」という抽象的で曖昧な言葉は消え去り、「引き渡された目的物が契約の内容と適合していないか」という契約不適合責任の枠組みへ移行した。
追完請求、代金減額請求、解除、損害賠償請求という、買主側に用意された4つの選択肢。これにより、契約書にどのような仕様・性能・条件を明記していたかが裁判における最大の争点となる。抽象的な「標準的品質」といった曖昧な記述を排除し、受発注スペックを緻密に明文化する作業が現場の必須業務となった。