ネット上の掲示板やSNSで毎年のように相談が殺到するのが、併願に伴う入学金延納制度の落とし穴です。「併願校だから、第一志望の結果が出るまで待ってくれるはず」と思い込んでいた保護者が、合格発表から3日後の手続期日を過ぎて合格を取り消されるケースが頻発しています。
入学手続きにおける「延納」のパターンは大きく3つに分かれます。
- 全額延納型:手続き書類の提出やWeb申請のみで、第一志望の合否が出るまで入学金・授業料の支払いが一切免除されるタイプ(高校の併願優遇に多い)。
- 一部納付型(手付金型):入学金の一部(2万〜5万円程度)を納付することで、残額の納付期限を延長できるタイプ。
- 全額即時納付型(返還不可):合格後数日以内に約20万〜30万円の入学金を全額納めなければ権利が消失するタイプ(多くの私立大学一般入試)。
私立大学の多くが採用している全額即時納付型の場合、第一志望校に合格したとしても一度納めた入学金は原則として返還されません。過去の最高裁判所判例においても「入学金は入学し得る地位を取得するための対価であり、不返還条項は有効」と判断されています。この「捨て入学金」の発生を防ぐためには、合格発表日と納付期限が連鎖するように受験スケジュールを緻密にパズル化する必要があります。
また、併願校の合格辞退理由について悩む家庭も多く見られますが、自己都合による辞退の場合でも「家庭内の事情により第一志望校への進学を決定したため」「他校の選考結果を踏まえ進路を一本化したため」といった定型的な文面で全く問題ありません。Web出願システムの普及に伴い、ボタン操作一つで辞退手続きが完了する学校も主流となっています。