彼女の卓越した演技力が世界的に知れ渡る決定打となったのが、国内外の映画祭での評価です。『M/OTHER』はカンヌ国際映画祭の国際批評家連盟賞を受賞し、渡辺真起子の名は映画界の最前線に深く刻まれました。
さらに2012年、中野量太監督の長編デビュー作『チチを撮りに』で母親役を演じると、第7回アジアン・フィルム・アワードおよび第56回アジア太平洋映画祭にて最優秀助演女優賞をダブル受賞。アジア全域の実力派女優たちを抑えての快挙となり、そのキャリアは頂点を極めます。
彼女の演技の真骨頂は、セリフに頼らずとも背中や佇まいだけで人生の年輪を物語るリアリズムです。体当たり演技を経験し、生身の人間をスクリーンに焼き付ける術を知り尽くしているからこそ、どんな役柄であっても観る者の心を揺さぶります。