不完全変態を行うカメムシ目の仲間であるため、フサヒゲサシガメの幼虫と成虫は基本的な形態が似ています。孵化したばかりの小さな幼虫の段階からすでに腹部のトリコームを発達させており、自分よりも小さなアリを麻痺させて捕食する本能が備わっています。脱皮を繰り返すにつれて脚の毛束がより濃密になり、成虫になると発達した翅(はね)を持つようになります。
近年、海外の奇虫愛好家の間ではそのユニークな生態が評価され、ブリード個体が流通することもあります。しかし、フサヒゲサシガメの飼育方法は一般的な昆虫飼育に比べて難易度が極めて高いのが実情です。
飼育下では、主食となる小型の生きたアリを常に安定供給しなければならず、人工飼料や死に餌にはほとんど反応しません。また、通気性の良いケージを用意し、温度は22℃〜26℃前後、湿度は適度な乾燥状態を保つなど、原産地の気候を再現するシビアな環境管理が求められます。