小林聡美のこれまでの結婚歴を振り返ると、婚姻関係を結んだ相手は生涯で脚本家の三谷幸喜ただ一人です。ふたりの出会いは1989年に放送がスタートした伝説的シチュエーション・コメディドラマ『やっぱり猫が好き』(フジテレビ系)。脚本を手掛けた三谷幸喜と、三女・きみえ役を好演した小林聡美は意気投合し、約6年の交際期間を経て1995年12月に結婚しました。
当時、気鋭の劇作家と個性派女優の結婚は「知性派カップル」として世間の大きな祝福を受けました。お互いの愛猫・愛犬とともに暮らす様子はメディアでも微笑ましく報じられ、おしどり夫婦の代表格と見なされていましたが、2011年5月23日、16年におよぶ結婚生活に突如ピリオドが打たれました。
当時、双方がマスコミ各社へ送付した直筆署名入りのFAXには、離婚の理由について次のように記されていました。
「小さな考え方の違いや価値観のズレが積もり重なり、それがいつしか大きな溝となってしまった」
ふたりの間に子供はいません。親権争いや財産分与をめぐる泥沼の裁判劇などは一切なく、協議離婚という形で静かに手続きは完了しました。後に三谷幸喜が情報番組や手記で語ったところによると、お互いに多忙を極めるなかで生活時間帯が逆転し、会話の機会が徐々に減少していったことが最大の要因でした。劇作家として夜型の執筆生活を送る三谷と、朝型の規則正しい生活を好む小林。愛情やリスペクトが消えたわけではなく、生活者としてのリズムの乖離が修復不可能なレベルに達した末の「発展的解消」だったことが伺えます。