カフェオレスポットが多発する場合に最も考慮されるのが、「レックリングハウゼン病(神経線維腫症1型:NF1)」です。国が定める指定難病の一つであり、神経系や皮膚、骨などに多様な症状が現れる体質的な疾患です。
レックリングハウゼン病の発症確率は、出生児の約3,000人に1人とされています。遺伝形式は常染色体顕性(優性)遺伝ですが、患者の約半数は家族歴のない突然変異(孤発例)によって発症します。
国際的なレックリングハウゼン病の診断基準では、以下の項目のうち2つ以上を満たす場合に診断が確定します。
1. 思春期前で5mm以上、思春期後で15mm以上のカフェオレ斑が6個以上
2. 2個以上の神経線維腫(皮膚の柔らかい良性腫瘍)、または1個以上のびまん性神経線維腫
3. 腋窩(わきの下)または鼠径部(脚の付け根)の雀卵斑様色素沈着(そばかす様の発疹)
4. 視神経膠腫(視神経の腫瘍)
5. 2個以上の虹彩小結節(Lisch結節:目の虹彩にできる良性の結節)
6. 特徴的な骨病変(蝶形骨欠損、脛骨などの長管骨の菲薄化・弯曲)
7. 一親等の血縁者にNF1の確定診断がある
神経線維腫症1型の症状の現れ方には大きな個人差があります。乳幼児期はカフェオレ斑のみが目立ち、成長してから皮下の神経線維腫や骨の変形などが徐々に明らかになるケースが多いため、多発斑が認められた場合は皮膚科や小児科、遺伝診療部による長期的なフォロー体制が組まれます。