2022年シーズン、DeNAで自己最多となる93試合に出場し、チームの2位躍進に大きく貢献した嶺井博希がFA宣言を行った際、球界には大きな激震が走りました。DeNA残留という選択肢も有力視されていたなかで、ソフトバンク移籍を決断した背景には明確な3つの要因が存在します。
最大の理由は、捕手層の厚みと経験値を渇望していたソフトバンク側からの破格の熱意と高評価です。当時、絶対的正捕手であった甲斐拓也に続く第2捕手の育成とバックアップ体制の構築はチームの最優先課題でした。経験豊富で修羅場をくぐり抜けてきた嶺井のキャッチング技術とリーダーシップは、フロントおよび首脳陣から極めて高い評価を受けました。
さらに、沖縄尚学高校および亜細亜大学でバッテリーを組み、全国制覇を成し遂げた東浜巨投手との強い絆も移籍を後押しした大きな要素です。「もう一度同じユニフォームを着てバッテリーを組みたい」という想いは、プロとして新たな挑戦を選ぶ大きな原動力となりました。
なお、嶺井は旧年俸ランクにおいて「Cランク」と推定されていたため、移籍に伴う人的補償や金銭補償が発生しない点も、ソフトバンクが迅速かつ好条件で獲得へ動けた要因の一つでした。