1階の販売スペースの奥、趣ある階段を上った先に広がるのが「茶房 春日庵」です。太い梁が天井を渡る築100年を超える伝統的な奈良町家の風情を色濃く残しており、格子窓からやわらかな自然光が差し込む静謐な空間が広がっています。
茶房でまず注文すべき鉄板メニューは、名物「さつま焼とお茶のセット」です。店頭で販売されている箱入りのものとは異なり、茶房では職人が焼き上げて間もない、まだほのかに温もりを残したさつま焼が供されます。温かい状態のさつま焼は皮の香ばしさが一段と立ち上り、中のこし餡がとろりとなめらかに舌の上でほどけます。合わせる日本茶は、香り高い大和茶の煎茶、深く焙煎されたほうじ茶、あるいは豊かな苦味の抹茶から選択可能です。
夏季には純氷をきめ細かく削った自家製シロップのかき氷(抹茶あずき、黒蜜きな粉、季節の果実など)、冬季には丹波大納言をふんだんに使ったぜんざいが登場します。近年では、さつま焼を大胆にトッピングした特製和パフェや、季節の生菓子とお茶のセットも好評を博しており、価格帯はお茶と菓子のセットで約700円〜1,200円前後と、歴史ある町家カフェの体験価値を考慮すると極めて良心的です。