爪を根元から深くむしり取ってしまう人が直面する最も深刻なトラブルが、「爪のボコボコとした変形」や「肥厚化(ひこうか)」です。
爪は指先の皮膚から直接生えているわけではありません。爪の根元の皮膚(後爪郭)の下にある「爪母(そうぼ / ネイルマトリクス)」と呼ばれる工場のような組織で日々生成されています。爪をむしる際、根元の甘皮(キューティクル)を無理に剥がしたり、爪母周辺を強い力で圧迫・損傷させると、作られる爪そのものに欠損や歪みが生じます。
これにより、表面に深い横溝が刻まれたり、中央が大きく波打った形状のまま爪が伸びてくることになります。一度傷ついた爪母が正常な爪を作り出すようになるには、適切なケアと保護を行いながら約4〜6ヶ月(爪が完全に生え変わる期間)にわたる継続的な養生が必要です。
すでに変形が生じている場合、決して自力で凹凸を削り落とそうとしてはなりません。削ることで爪がさらに薄くなり、わずかな外力で爪母へのダメージが加速します。高保湿のネイルオイルで根元を保護しつつ、ジェルや補強コートで厚みを持たせて外部刺激を遮断することが、綺麗な爪を再生させる唯一の確実なルートです。