仮に、将来的に500円玉の直径を25ミリや28ミリに変更した場合、社会全体でどれほどの損失が出るのだろうか。専門家の試算によれば、全国の自販機、コインランドリー、駐車場精算機、アミューズメント施設の筐体などの改修費用は、数千億円規模にのぼるという。
ヨーロッパのユーロや米国のドルなど、海外の主要通貨でも硬貨のサイズ変更には極めて慎重だ。一度社会に定着した「サイズ規格」は、もはや一企業の製品仕様ではなく、国家の公共財としての性質を帯びる。26.5ミリという直径は、日本の利便性と経済合理性が生み出した、動かすことのできない「社会の約束事」なのである。