丸の内のビジネス街を歩くと、オフィスビルの谷間から鳥のさえずりが響き渡る。昼休みのランチタイム、かつては地下街やエアコンの効いたカフェに閉じこもっていたビジネスパーソンたちが、いまやビル群の合間に現れた原生林のような木々の下で木漏れ日を浴びながら過ごしている。
「息が吸いやすくなった」。都内のIT企業に勤める30代の社員はそう語る。殺伐としたオフィス街に突如出現した濃密な緑は、都市生活者のストレス指数を物理的に低下させている。単なる環境対策を超えて、人々のメンタルヘルスや行動パターンそのものを変革しつつあるのだ。