近年の日本映画を語る上で欠かせないのが、世界各国の映画祭で絶賛を浴び続ける巨匠たちの存在だ。人の心に潜む孤独や家族の多様なあり方を精緻に描き出す是枝裕和監督の作品群は、人間の心理を静謐かつ深く穿ち、国際的な映画賞や日本アカデミー賞の常連として揺るぎない評価を獲得している。
さらに、国際映画賞で歴史的な快挙を成し遂げた『ドライブ・マイ・カー』のように、人間の喪失と再生をテーマにした重厚なヒューマンドラマは、言葉の壁を越えて世界中の観客の胸を打ち続けている。細やかな感情描写と丁寧な間(ま)の表現は、間違いなく今の日本映画が誇る最強の武器だ。