「医者に説教された」と感じる受診者の多くは、医師の言葉の背後にある“焦り”と“危機感”を見落としがちだ。現場の眼科医が患者に対して厳しいトーンで接する最大の理由は、取り返しのつかない症状を一刻も早く食い止めたいという切実な思いにある。
第一の理由は、酸素透過性の不足による慢性的な「角膜の酸素欠乏」だ。特にデザイン性を優先した安価な製品は、レンズが厚く、色素が直接目に触れる構造になっているものがある。色素が角膜に付着したり、角膜が呼吸できなくなったりすることで、自覚症状がないまま細胞が激減していくケースが後を絶たない。
第二の理由は、長時間装用や誤ったケアによる細菌感染である。水道水で洗う、友人と貸し借りする、そのまま寝てしまうといった行為は、医師から見れば「自傷行為」に等しい。そして第三の理由が、眼科での定期検診を受けず、自分の目のカーブ(ベースカーブ)や度数に合わない製品をつけ続けていることだ。医師の厳しさは、患者の視力を守るためのラストラインなのだ。