気候危機の最新ニュースは海外の大規模森林火災や氷河崩壊ばかりではありません。島国である日本こそ、温暖化の直接的な物理的打撃を受けるフロントラインに立たされています。
まず挙げられるのが海面上昇による日本国内への深刻な影響です。環境省の推計によると、平均気温が2℃上昇した場合、日本の沿岸部では砂浜の約7割が侵食により消失する恐れがあります。さらに東京湾、伊勢湾、大阪湾などのゼロメートル地帯では、高潮による氾濫リスクが跳ね上がり、堤防のかさ上げや排水施設の再整備に数兆円規模の公共投資が迫られています。
農業・水産業の現場ではすでに激変が常態化しています。コメの高温障害による白未熟粒の発生や品質低下、サンマやサケの記録的不漁とそれに代わるブリやトラフグの北上など、食卓を支えるサプライチェーンの根底が揺らいでいます。これらは遠い将来の予測ではなく、現場取材において農家や漁師が日々直面している生々しい現実です。