通常の戻りジミであれば時間の経過とともに薄れますが、何らかの悪化要因が加わると色素沈着が長期化したり、別の肌トラブルへ発展したりするリスクがあります。特に注意すべきは以下の3点です。
第1に、潜在的な肝斑(かんぱん)への誤照射です。女性ホルモンのバランスや慢性的な摩擦が関与する肝斑は、強い熱刺激を与えるとメラノサイトが暴走し、一気に濃く広がってしまいます。薄い老人性色素斑の直下に肝斑が潜んでいた場合、レーザー照射をトリガーとして肝斑が悪化するケースは臨床現場でも少なくありません。
第2に、術後のスキンケアにおける摩擦と紫外線曝露です。レーザー後の無防備な皮膚バリアにマスクの擦れや強い洗顔圧が加わると、炎症が遷延してメラニン生成が止まらなくなります。さらに紫外線を浴びることでメラニン沈着が強固に定着してしまいます。
第3に、肌質に合わない過度な照射出力です。シミを一度で取りきろうと強すぎるフルエンスで照射した場合、深部組織まで熱損傷が及び、色素脱失(白抜け)や難治性の色素沈着を引き起こす原因となります。