くまの壮絶な過去を知る読者にとって、今回の展開は涙なしには見られない。バッカニア族の生き残りとして過酷な運命を背負い、娘のためにすべてを捧げた男の執念。彼が最後に残した意志が、いまサターン聖という絶対的な支配者を揺るがしている。
なぜベガパンクの命じた自爆命令を押し返し、聖地マリジョアからエッグヘッドへと一直線に向かうことができたのか。人間としての意識は消去されたはずだが、「娘を守る」という本能的感情が機械化された肉体を動かしているという説が有力だ。この理屈を超えた行動こそが、本作が描く「意志の継承」というテーマの核心と言える。