この惨状は決して感覚的な愚痴ではない。公的機関が公表する客観的データが、その冷酷な現実を裏付けている。国税庁が発表した民間給与実態統計調査を紐解くと、平均給与の数字自体は微増を見せているものの、インフレ率を加味した購買力で見れば実質的な収入は衰退の一途をたどっている。
厚生労働省が実施する毎月勤労統計調査でも、実質賃金が長期にわたり前年割れを記録し続ける異常事態が白日の下に晒された。企業が記録的な利益を更新したと報じられても、それが働く現場の末端まで還元される構造は存在しない。いくら汗と涙を流しても報われない構造が、公的な数字として証明されている。