松濤が「別格」である5つの真相|地価・豪邸・有名人を徹底解剖

松濤が「別格」である5つの真相|地価・豪邸・有名人を徹底解剖

松濤が「別格」である5つの真相|地価・豪邸・有名人を徹底解剖に関する深掘り解説を分かりやすく解説いたします。

都内の一等地であっても、世代交代による相続税の支払いや開発業者の参入によって、広大な屋敷が細分化され、狭小住宅やペンシルビル、ワンルームマンションに姿を変えてしまう現象は珍しくありません。しかし、松濤一丁目および二丁目において、そうした乱開発は一切起きていません。街の品格を支えているのは、住民たちが結んだ極めて厳格な自主ルール(建築協定)と行政の都市計画です。

松濤の大部分は、都市計画法上の「第一種低層住居専用地域」に指定されています。さらに渋谷区の景観形成基準や独自の建築協定により、以下のような鉄の掟が課せられています。

第一に「敷地面積の最低限度」です。松濤地区では敷地の細分化を防ぐため、原則として200㎡(約60.5坪)未満への土地分割が厳格に規制されています。これにより、いわゆるミニ開発が物理的に不可能となっています。第二に「絶対高さ制限10メートル」です。建てられる建物は基本的に地上2階〜3階建てまでに制限され、タワーマンションはもちろん、中高層の賃貸マンションすら建設できません。さらに建ぺい率50%・容積率100%(一部地域は60%・150%)という厳しい容積制限により、敷地内には豊かな庭園や車寄せを確保することが義務付けられます。

商業利用に対する障壁も徹底しています。コンビニエンスストアや飲食店、深夜営業店舗の進出は完全に締め出されており、街並みはどこまでも住宅と美術館、学校、公園のみで構成されています。この徹底した用途規制が、渋谷駅至近でありながら別天地のような静寂を生み出している根源です。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。