スターバックスの歴史を振り返ると、創業者のハワード・シュルツが築き上げた「サードプレイス(第3の場所)」という理念が常にブランドの根底に流れている。顧客との心の通った対話や温かみのある接客こそが、同社の象徴であった。
しかし、グローバルCEOに就任したブライアン・ニッコルのリードのもと、ブランドは新たな局面を迎えている。ニッコル体制下で推進されているのは、デジタルテクノロジーを活用した「現場の作業負担軽減」と「店舗体験の質の再定義」だ。複雑化しすぎたオペレーションを整理し、レジ画面やPOSシステムのユーザーインターフェースをより直感的なものへと改善する取り組みが進められている。
店員が画面操作や複雑な暗号入力に忙殺される時間を削ることで、本来の強みである顧客とのアイコンタクトや会話を生み出す。テクノロジーは効率化のためだけに存在するのではなく、人間らしい温かい交流を取り戻すために使われているのだ。