短命に終わったとはいえ、本作が遺した映像的遺産は日本特撮史において唯一無二の輝きを放っています。企画段階で掲げられたキーワードがアニメンタリーでした。これはアニメーションとドキュメンタリーを掛け合わせた造語であり、先行する戦記アニメなどで使われていた概念を、国際放映は「実写と立体アニメーションの融合による新しいスペクタクル」へと昇華させようとしたのです。
巨大神ミツルギおよび敵怪獣の造形を手掛けたのは、人形劇や造形で高い評価を得ていた真喜プロダクションです。巨大神ミツルギは、金剛力士像や仏教美術の意匠を色濃く反映した厳かな木彫り風の質感を持ち、内部に金属製のアーマチュア(可動骨格)を仕込むことで、関節の微妙な曲げ伸ばしを可能にしていました。この構造により、人間のプロポーションに縛られる着ぐるみ特撮では絶対に表現できない、極端に細い腰や異形の関節バランスが実現したのです。
さらに特筆すべきは、首領である魔神巨烈をはじめとするサソリアン軍団の怪獣たちが見せる、ぎこちなくも不気味な挙動です。1秒間に24回人形の位置を微修正しながら撮影されるストップモーション特有の「わずかなカクつき」が、かえって古代の偶像や未知の宇宙生命体が持つ生理的な恐怖感を生み出しました。火花や光学合成の光が木目調の人形肌に反射する戦闘シーンは、レイ・ハリーハウゼンのダイナメーションを彷彿とさせる孤高の映像美へと到達しています。