富田望生が本格的に体型を変化させた原点は、2015年に公開された映画『ソロモンの偽証』にあります。宮部みゆき原作の大ベストセラーを成島出監督が映画化した本作は、約1万人規模の大規模オーディションが開催され、中学生キャストたちが徹底的な演技指導のもとで選抜されました。
当時14歳だった富田望生は、物語のキーパーソンとなる「浅井松子」役に抜擢されます。松子は原作設定において、大柄でおっとりとした心優しい女子生徒。オーディション合格後、成島監督から「松子を演じるために、あと15kg太ってほしい」と告げられた際、彼女は戸惑うことなく「やります」と即答したといいます。
当時の特番インタビューや公式会見の記録によると、15歳前後の成長期にある少女が短期間で体重を増やすプロセスは過酷を極めました。母の協力を得ながら、毎食後に白米やお団子を追加で食べ、寝る直前にも夜食を摂取するなど、綿密なカロリーコントロールによる増量を敢行。わずか約2ヶ月の準備期間で15kgの増量を見事に成し遂げ、スクリーンの中に原作通りの「浅井松子」を実体化させました。この徹底したデ・ニーロ・アプローチ(役作りのための肉体改造)こそが、女優・富田望生のキャリアを決定づけた伝説の幕開けです。