伊香保の歴史を語る上で欠かせない存在が、天正年間(1576年前後)創業の老舗旅館「福一」です。戦国武田氏にゆかりを持つ名家として始まり、伊香保の湯守として代々温泉文化を守り続けてきました。竹久夢二や徳冨蘆花をはじめとする数多の文人墨客にも愛された歴史の重みは、宿の随所に漂う品格から感じ取ることができます。
福一が今もなお旅行者を惹きつけてやまない最大の理由は、単なる歴史の長さに甘んじることなく、「伝統の格式」と「現代の快適性・プライベート感」を極めて高い次元で融合させている点にあります。石段街の賑わいから一歩館内へ足を踏み入れると、そこには渓谷の自然と調和した静けさが広がり、きめ細やかなおもてなしが日常の喧騒を忘れさせてくれます。
長い歳月の中で培われた接客の所作や心配りは、滞在するすべての人に心地よい安心感をもたらします。老舗の重厚感を残しつつ、リニューアルされた洗練の空間が調和していることこそ、世代を超えてリピーターを生み出す決定打となっています。