劇場の客席やSNS上の歌舞伎ファンコミュニティでは、七代目菊五郎の舞台姿に対してどのような声が寄せられているのでしょうか。実際の観客の声や劇評を精査すると、年齢や身体的制約を超越した「芸の凄み」に対する圧倒的な称賛が目立ちます。
「登場しただけで劇場の空気がふっと軽くなり、江戸の長屋の風が吹き抜けるような心地よさがある」「無理に声を張らなくても、台詞の抑揚ひとつで客席全員が引き込まれる」といった感想が多く見られます。長年培われた世話物の台詞術や間(ま)の取り方は、どれだけ筋力を鍛えても一朝一夕には到達できない人間国宝ならではの領域です。
若手役者への指導風景を目撃した関係者からも、「口立て(言葉と実演で直接伝える伝承法)で見せるちょっとした手の角度や首の傾げ方に、江戸の美意識が凝縮されている」と感嘆の声が漏れます。身体的な負担を考慮した演出上の工夫が施されつつも、舞台上での求心力は一切損なわれていません。