映画『スイート・マイホーム』の結末で明かされる最大の真実は、一連の怪異が超自然現象ではなく、住宅の構造的死角を悪用した生身の人間による寄生犯罪だったという点です。
主人公の清沢賢二(窪田正孝)は、寒冷地に建つ理想の注文住宅「まほうの家」を手に入れます。たった1台のエアコンで家中を快適な温度に保てる最新空調システムを備えた新居は、一見すると温かな家庭生活の象徴でした。しかし、入居直後から幼い娘サチの怯えや不可解な視線、関係者の変死事件が相次ぎます。
終盤、賢二の新居の屋根裏および空調配管スペースに潜んでいた侵入者の存在が露わになります。かつて住宅展示場で出会い、この家を担当した住宅会社スタッフ・原村ちか(内田慈)が、家族の知らぬ間に屋根裏に住み着き、夜な夜な通気口から家族の生活を盗み見ながら、乳児に自分の母乳を与えていたというおぞましい事実が発覚します。
真相を知った兄の聡(窪塚洋介)は弟家族を救おうと現場に駆けつけますが、原村の凶刃に倒れます。さらに、妻のひとみ(奈緒)もまた家庭を守るための極限心理に追い詰められ、現場は血みどろの惨劇と化します。炎上する家の中で賢二は自らの過去の不倫や欺瞞を突きつけられ、理想としていた「甘い我が家」は完全に瓦解。生き残った家族の間にも決して埋まらない修復不能な亀裂が刻まれるという、救いのない戦慄のラストを迎えました。