テニス肘は一朝一夕で完治する疾患ではありません。腱組織は筋肉に比べて血管が乏しく、代謝回転が遅いため、組織修復には一定の時間を要します。焦りから無理な負荷を重ねないためにも、テニス肘が治るまでの期間の詳細まとめを把握しておくことが精神的な安定にもつながります。
・初期・軽度(発症から2週間以内):
特定の動作で違和感がある程度。適切なツボ指圧、作業姿勢の見直し、局所の安静を徹底すれば、約3週間〜1カ月半での寛解が期待できます。
・中期・中等度(発症から1〜3カ月経過):
日常生活の軽微な動作(コップを持つ、ドアノブを回す)で明確な激痛が走る状態。腱の微小変性が生じているため、セルフケアに加えてサポーターの着用や鍼灸治療を併用し、約2〜4カ月の計画的な治療期間を見込む必要があります。
・慢性期・重度(発症から3カ月以上経過):
安静時にもズキズキと痛む、夜間に痛みで目が覚める、握力が著しく低下している状態。腱組織の器質的変性(腱症)が進行している可能性が高く、修復には6カ月〜1年近くの長期戦を覚悟しなければなりません。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
ツボ療法やストレッチを中心とした保存的セルフケアには明確な適応境界が存在します。現状の病態を見極め、適切な選択肢を選ぶための判断基準を提示します。
▼ツボ療法とセルフケアを積極的に推奨できる人
・手首を動かしたときにのみ痛みが生じ、安静にしていれば痛みがない人
・発症から間もない(1カ月未満)初期段階の人
・仕事や家事で肘を使いながらも、作業合間にこまめに休憩を取り入れられる人
・再発防止のために生活習慣や手の使い方の癖を見直す意欲がある人
▼セルフケアに固執せず、直ちに整形外科を受診すべき人
・何もしなくても肘の外側がズキズキと痛む(安静時痛・夜間痛がある)人
・肘関節が赤く腫れ上がり、熱感を持っている人
・手や指先にしびれ、力が入らないなどの神経症状を伴っている人
・セルフケアやツボ指圧を2〜3週間正しく継続しても痛みに全く変化が見られない人
強い炎症が燃え盛っている急性期に無理な指圧を試みるのは火に油を注ぐ行為です。重篤な腱断裂や頚椎由来の神経障害を見落とさないためにも、危険な兆候がある場合は躊躇なく専門医の画像診断(エコーやMRI)を仰いでください。