鶏の軟骨には大きく分けて「ヤゲン軟骨(胸軟骨)」と「ヒザ軟骨(げんこつ)」の2種類が存在します。居酒屋や精肉店で見かける軟骨がどちらの部位であるかを理解し、適切な下処理を施すことが、仕上がりのクオリティを左右する第一歩です。
ヤゲン軟骨は鶏の胸骨の先端にある舟形の軟骨で、漢方薬をすり潰す器具「薬研(やげん)」に形が似ていることからその名がつきました。周囲に適度なササミ肉がついており、脂質が極めて低くさっぱりとした味わいと、軽快なコリコリ食感が特徴です。
一方、ヒザ軟骨は鶏の関節部分にあたる骨で、形状から「げんこつ」とも呼ばれます。ヤゲン軟骨に比べて球状で弾力があり、骨の周りに適度な脂身とゼラチン質を含んでいるため、噛みしめるほどにジューシーな脂の旨味が広がります。
下処理において最も重要なのは、「臭み取り」と「余分な脂の除去」です。特にヒザ軟骨の場合、関節の周りに酸化しやすい黄色い脂肪塊が付着していることがあります。これを包丁で丁寧に削ぎ落とすだけで、油切れが格段に向上し、揚げ上がりの脂っこさを劇的に解消できます。