スマートフォンやタブレットの普及に伴い、ゴールデンタイムの地上波放送をTVerリアルタイム配信で同時視聴するライフスタイルは完全に定着しました。しかし、毎週金曜21時に日本テレビ系リアルタイム配信のタブを開いても、金曜ロードショーの枠になると番組本編は再生されず、「権利上の都合により配信できません」という静止画(いわゆる蓋かぶせ画面)に切り替わります。
日本テレビ公式の配信サービス案内や民放公式配信ガイドラインでも明記されている通り、日テレ系リアルタイム配信において金曜ロードショーは対象外です。地上波のバラエティやドラマの多くが同時配信・見逃し配信に対応しているため、「映画も同じようにスマホで見られる」と誤認されがちですが、テレビ放送とネット配信では適用される法制度や契約形態が根本から異なります。
テレビ放送は電波を用いた「放送権」に基づくのに対し、ネット配信には「公衆送信権」の許諾が不可欠です。映画作品は製作委員会、海外配給会社、原作権利者、音楽出版社など無数のステークホルダーが複雑に絡み合っており、ネット上での同時再送信をクリアするための権利処理コストや契約条件のハードルが極めて高いため、現状では同時配信が見送られ続けています。