現場を率いるペップ・グアルディオラ監督およびシティのスカウティング部門は、板倉選手のどのような点に白羽の矢を立てていたのでしょうか。クラブ関係者の証言によると、フロンターレ時代から見せていた「ビルドアップの配球力」「複数ポジションをこなす戦術的柔軟性」「188cmのサイズを活かした対人力」が、ペップの掲げるポジショナルプレーの理想像に合致していたと分析されています。
ペップ・グアルディオラ体制下のシティでは、センターバックであっても中盤のアンカーの位置までスムーズに進出し、長短のパスでゲームを組み立てるタスクが不可欠です。板倉選手はボランチ出身のディフェンダーであり、ボールを前進させる視野と配球技術を兼ね備えていました。直接シティの練習場でペップの直接指導を受ける期間は限られていたものの、CFGのグローバル・ローン担当テクニカルチームを通じて、ペップが求める現代的センターバックとしての評価軸に沿ったモニタリングが常に行われていました。
マンチェスター・シティにおける日本人選手の系譜を振り返ると、2019年夏にはガンバ大阪から食野亮太郎選手が獲得され、スコットランドのハーツなどへレンタル移籍した事例があります。また近年では、マンチェスター・シティ・ウィメンにおいて長谷川唯選手が世界最高峰のゲームメーカーとしてPFA年間ベストイレブンに選出される大活躍を見せ、清水梨紗選手や山下杏也加選手、藤野あおば選手が相次いで加入するなど、シティ・グループにおける日本人選手の戦術理解力とプロフェッショナリズムへの評価は極めて高い水準にあります。