ネット上では「お腹の張りには食物繊維をたっぷり摂るのが正解」という言説が頻繁に拡散されていますが、これは典型的な誤解であり、場合によっては事態を劇的に悪化させます。
食物繊維には「不溶性」と「水溶性」の2種類が存在します。ごぼう、サツマイモ、玄米、豆類などに豊富に含まれる不溶性食物繊維は、便のカサを増やして腸を刺激する利点がある反面、すでに腸の動きが低下している人が過剰摂取すると、腸内で分解・発酵する過程で大量の水素ガスやメタンガスを発生させます。結果として、お腹がさらにパンパンに膨れ上がり、激しい腹痛に苦しむ羽目になるのです。
さらに近年、消化器分野で世界的標準となりつつあるのが「低FODMAP(フォドマップ)食」の知見です。FODMAPとは、小腸内で吸収されにくく、大腸で腸内細菌によって急速に発酵される短鎖炭水化物の総称です。
- 高FODMAP食品の代表例:小麦製品(パン、パスタ)、玉ねぎ、にんにく、豆類、リンゴ、牛乳・ヨーグルト(乳糖を含むもの)、人工甘味料(ソルビトール、キシリトール等)
健康やダイエットのために良かれと思って毎朝食べていたヨーグルトやプロテインバー、シュガーレスガムが、皮肉にもガスだまりの元凶になっているケースは臨床現場でも極めて多発しています。原因不明の膨満感に悩まされているなら、これらの食品を1〜2週間ほど控えてみる検証が推奨されます。