平安貴族の食卓は病の温床?白米偏重と塩分過多が招いた不健康の真相

平安貴族の食卓は病の温床?白米偏重と塩分過多が招いた不健康の真相

平安貴族の食卓は病の温床?白米偏重と塩分過多が招いた不健康の真相に関する知りたいポイントを徹底的にまとめました。要点を確実におさえることができます。

「身分の高い貴族の方が栄養状態が良い」という直感は、平安時代においては完全に覆されます。平安時代の貴族と庶民の食事の違いを詳細に比較すると、皮肉にも過酷な生活を送っていた庶民の食事の方が、栄養学的な観点からは理にかなっていました。

仏教の殺生禁断令の影響により、牛馬などの四足動物の肉食が公に禁じられていた平安京において、貴族が食べていた肉や魚の種類は極めて限定的でした。貴族の動物性タンパク質源は、主に干物や塩漬けにされた鮭、鯛、干アワビなどの魚介類や、キジやカモといった野鳥に限られていました。輸送技術が未熟な時代、内陸の京都へ運ばれる魚介類は防腐のために大量の塩がすり込まれており、生野菜を食べる習慣も「身体を冷やす」「下賤な食べ物」として敬遠されていました。

対照的に、農民や町衆などの庶民は、白米など口にできず、アワ、ヒエ、麦といった雑穀や玄米を主食とし、旬の野草、大根、海藻、大豆製品を副食としていました。雑穀や野草には、貴族に決定的に不足していたビタミンB群、鉄分、食物繊維、ミネラルが豊富に含まれており、重労働によって適度な運動量も確保されていたため、飢饉や疫病流行の時期を除けば、生活習慣病とは無縁の体質を維持できていたのです。

比較項目平安貴族の食生活平安庶民の食生活編集部の分析・健康影響主食の種類白米の強飯・姫飯(1日4〜5合)雑穀(アワ・ヒエ・麦)・玄米貴族は深刻なビタミンB1不足。庶民は自然にビタミン・食物繊維を補給。副食・おかず塩蔵魚・干物・キジ肉・儀式料理旬の野菜・山菜・野草・海藻・豆類貴族は緑黄色野菜不足で抗酸化物質が欠乏。塩分摂取量は危険水準。調味法・味付け後付け調味(塩・醤・酢を直接多用)粗塩・味噌の原型・素材そのまま貴族は冷えた干物に塩をつけて食べるため高血圧や腎疾患が頻発。食事回数・間食1日2食+夜間の唐菓子・甘味・酒宴1日2〜3食(労働に応じたエネルギー補給)貴族はドカ食いと夜間糖質摂取により血糖値スパイクを日常化。罹患しやすい疾患糖尿病・脚気・痛風・高血圧・虫歯感染症・寄生虫・飢餓(凶作時)貴族の疾患構造は現代の飽食による生活習慣病と完全に一致。
加藤 愛美
著者

加藤 愛美

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。