石和温泉のルーツは1961年、ブドウ畑の中から突如として毎分2,000リットル以上の高熱温泉が噴き出した「青空温泉」に始まります。交通の利便性も手伝い、昭和40〜50年代には巨大旅館が林立。夜のネオンが輝くストリップ劇場やピンクサロンが軒を連ね、企業の慰安旅行や男性グループ客が押し寄せる「東日本屈指の歓楽温泉街」として一世を風靡しました。
しかし、バブル経済の崩壊とともに社員旅行などの団体需要は激減。客足を失った大型ホテルの廃業や、老朽化した歓楽街施設の放置が相次ぎ、「石和は終わった」と揶揄される時代が長く続きました。ネット上で今も囁かれる「石和温泉 寂れた噂の真相」は、まさにこの過渡期に撮影された廃墟写真や過去の記憶が独り歩きしたものです。
では、石和温泉歓楽街の現在の様子はどうなっているのでしょうか。現地を歩くと、かつての猥雑なネオンサインはほぼ姿を消し、跡地はスマートな宿泊施設やカフェ、住宅地、緑地へと再開発されています。女性客や小さな子ども連れでも夜間に安心して散策できるクリーンな温泉街へと景観整備が進んでおり、かつての歓楽街の面影を期待して訪れると拍子抜けするほど、治安の良い落ち着いたリゾート地へと様変わりしています。