参議院議員選挙の投開票を2日後に控えた2022年7月8日、近鉄大和西大寺駅北口のロータリーで惨劇は起きました。安倍元総理銃撃事件の発生から死亡確認に至るまでの分刻みのタイムラインは、搬送現場および医療現場の緊迫した状況を浮き彫りにしています。
午前11時29分、安倍元総理が選挙カー前のガードレールで囲まれた演説台に立ち、マイクを握って聴衆に向け演説を開始しました。そのわずか1分後の午前11時30分、後方から接近した山上徹也(当時41歳)が手製の散弾銃を構え、第1弾を発射。爆音とともに白煙が上がりました。安倍元総理が音に反応して後方を振り返った直後の約2.7秒後、至近距離から第2弾が発射され、複数の弾丸が安倍元総理の首や左肩付近に命中しました。
現場で心肺停止状態に陥った安倍元総理は、奈良市消防局のドクターヘリによって高度救命救急センターを有する奈良県立医科大学附属病院(橿原市)へと緊急搬送されました。搬送中も心臓マッサージなどの心肺蘇生措置が絶え間なく続けられました。
病院到着は午後12時20分。同院救命救急センターの福島英賢教授を中心とする医療チーム(医師・看護師ら約20名体制)が直ちに開胸手術を実施し、損傷した血管の止血と心臓マッサージ、さらには100単位以上(約2万ミリリットル、成人の全身血液量の数倍に相当)の輸血を行いました。しかし、銃弾による損傷は極めて深く、心臓の大血管および左右の鎖骨下動脈が広範囲に破壊されており、自発心拍の再開には至りませんでした。
午後4時55分すぎ、妻である安倍昭恵夫人が病院に到着。夫人が病室に入って声をかけた直後、午後5時3分に安倍晋三 死因 病院側より正式に死亡が確認されました。公式発表された死因は「左右鎖骨下動脈損傷に伴う失血死」でした。会見で医療チームは「心臓に達するほどの深部に達する損傷があり、頸部にも銃創が2箇所確認された。到着時すでに極めて厳しい容態であったが、できる限りの蘇生措置を尽くした」と沈痛な面持ちで語りました。