かつて「汐留シオサイト」の開業に伴い、大手広告代理店や民放キー局、IT大手がこぞって拠点を構えた汐留エリア。2000年代初頭に完成した超高層ビル群は、日本のIT・メディア産業の繁栄の象徴であった。しかし開業から20年以上が経過した現在、ビル自体の高機能化と環境性能のアップデートが急務となっている。
汐留エリア全体で大規模なテナント入れ替えが続く中、単にオフィススペースを提供するだけのモデルは完全に過去のものとなった。現在の企業が求めるのは、ウェルビーイングを意識した空間設計、脱炭素社会に対応した環境認証、そして偶発的なイノベーションを生み出す共用コミュニティである。変化のスピードは速い。時代の潮流に対応できないビルは容赦なく淘汰される厳しい現実に、新橋・汐留の街全体が向き合っている。