世界で最も高齢化が進む日本において、高齢者のQOL(生活の質)を高める研究が進んでいる。そこで興味深い相関が見出された。80代、90代になっても孤独感に苛まれず、周囲と穏やかな関係を保ち続ける人々の共通点を探ると、幼少期に「無条件に受け入れられた感覚」を抱いているケースが非常に多いという。
人生の最終盤、記憶や認知機能が少しずつ衰えを見せる時、最後に残るのは知識や業績ではなく、幼い頃に体得した「世界は安全な場所である」という身体的な感覚なのだ。100歳を迎えた高齢者がふとした瞬間に見せる笑顔や心の静けさ。それは、約1世紀前に家族や地域から受け取った温もりのリフレインなのかもしれない。