ネット検索で「水前寺清子」と入力すると、サジェストワードに「病気 現在」「車椅子 理由」「激やせ 真相」といった不穏な単語が並びます。昭和の大衆芸能を支えてきた看板スターだけに、ファンの間では日々の体調を心配する声が絶えません。しかし、取材と公の記録を突き合わせると、ネット上の言説と現場の実態には明確な隔たりが存在します。
まず「車椅子」が話題になった最大の契機は、2019年春に発生した自宅での転倒事故です。水前寺さんは世田谷の自宅庭で足をとられ、左膝の不全骨折(ひび)を負いました。当時すでに70代半ば。医師の指示に従い、患部を安静に保ちながらステージのスケジュールを穴埋めするため、一時的に車椅子に乗ってイベントやステージへ登壇した経緯があります。また、時計の針を少し巻き戻すと、2014年にも国指定の難病である脊柱管狭窄症の手術を受けており、歩行困難を乗り越えるための厳しいリハビリ期間中に車椅子姿がメディアで報じられました。
つまり、不可逆的な全身疾患や後遺症によって常時車椅子生活を強いられているわけではなく、あくまで「骨折の治療過程」および「腰の手術後のリハビリ期」に公の場で見せた姿が、画像や動画の切り抜きによって現在進行形のものとして一人歩きしてしまったのが真相です。
また「激やせ」についても、70代後半から80代へと差し掛かる加齢に伴う筋肉量の減少(サルコペニア傾向)に加え、後述する独立事務所の運営トラブルや離婚問題に伴う心労が重なった時期の表情が、テレビ画面を通じて視聴者に強い印象を与えたことが発端でした。2026年現在、水前寺さんは無理のないペースで発声練習やウォーキングを取り入れ、歌い手としてのコンディションを保ち続けています。