髭男爵の歴史は、決して順風満帆な滑り出しではなかった。結成初期はオーソドックスな漫才や泥臭いコントを試行錯誤する日々が続き、下積み時代は長かった。転機となったのは、シルクハットにタキシード、ワイングラスという強烈なビジュアルで身を包む「貴族ネタ」への路線変更だ。
山田ルイ53世の豪快なツッコミと、ひぐち君の脱力系ボケ「ひぐちカッター」が爆発的な化学反応を起こし、日本テレビ系の人気お笑い番組をはじめとする各局の演芸コーナーに引っ張りだことなった。一発屋ブームの渦中にありながら、彼らが放つ気品とシュールさのギャップは、日本中のお茶の間に強烈なインパクトを残したのだ。